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屋根葺き替え工事の費用相場はどれくらい?金額を安く抑えるポイント
そこで今回は、屋根葺き替え工事の費用相場や金額を抑えるポイント、葺き替え時期、建築確認申請は今後必要かどうかなどを解説していきますので、検討中の方はぜひご確認ください。
屋根葺き替え工事の相場は110万円〜220万円
屋根葺き替え工事の費用は、屋根材の種類や建物の条件によって大きく変動します。
30坪(約60㎡)の屋根を例にすると、費用の相場はおよそ110万円〜220万円です。
屋根の傾斜が急な場合には専用の足場が必要になったり、屋根形状が複雑な場合は加工に手間がかかったり、材料のロス分が増えるなどの理由で費用は変わります。
また、近年では様々な要因で発生している資材費の高騰も工事費用に影響を与えていますので、葺き替え工事を依頼するタイミング次第では「以前の見積もり金額より高くなっていた」なんてことも考えられます。
【葺き替え工事の費用が変動しやすいポイント】
☑︎ 資材費の高騰
☑︎ アスベスト含有の有無
ご自宅の屋根面積や希望する条件を当てはめた場合、実際の工事費用については見積り作成を専門業者に依頼することが一番早い確認方法となりますので、ぜひお気軽に葺き替え工事について街の屋根やさんにご相談いただければと思います!
既存の屋根材別の葺き替え費用目安
先にご紹介した金額はあくまで一般的な葺き替え工事の費用相場であり、実際はどの屋根から葺き替えるかによっても金額が異なります。
葺き替えを検討しているご自宅の屋根が瓦屋根なのか、それともスレート屋根なのかによって施工に必要な費用が変わってくるのです。
瓦屋根から葺き替える場合
瓦屋根から葺き替える場合、150万円〜200万円が目安となります。
瓦屋根は重量があるため、耐震性の向上を求めて軽量な金属屋根へ葺き替えることを目的とし、工事をご依頼されるお客様が多いです。
スレート屋根から葺き替える場合
スレート屋根は軽量で扱いやすく、屋根材自体の費用も安いです。
スレート屋根から同じスレートに葺き替える場合は 100万円〜150万円が目安となります。
一方、ガルバリウム鋼板などの金属屋根に葺き替えを行う場合は、耐久性が格段に向上する代わりにコストがやや高く、130万円〜180万円程度の費用がかかります。
▼葺き替え工事のパターンごとに費用をチェック!
既存の屋根材別の施工内容 | 費用目安 |
---|---|
瓦屋根から金属屋根へ | 150〜200万円 |
スレート屋根からスレート屋根へ | 100〜150万円 |
スレート屋根から金属屋根へ | 130〜180万円 |
上記の価格も目安の一つであり、実際には面積や使用する新しい屋根材、下地補修の種類、スレート屋根であればアスベスト含有の有無でも見積もり金額が変わります。
※アスベスト含有の場合の価格の変化については、この後で詳しくご説明しております。
葺き替え工事の各工程の費用内訳
葺き替え工事では複数の工程に費用がかかります。
どの作業にどれくらいの費用が掛かっているのかを知るため、各工程について解説いたします。
1. 足場代と養生
屋根葺き替え工事は高所作業となるため、足場の設置が必須となります。
足場の仮設費用は30坪規模で15万円〜25万円(単価は700~800円/㎡)が一般的な相場となります。
足場費用は高く感じるかもしれませんが、安全作業や品質の高い施工のために必要不可欠な工程です。
また、足場とセットで取り付ける養生用のメッシュシートにも費用が発生します。
養生用メッシュシートは150円/㎡が相場です。
2. 既存屋根材の撤去・処分
古い屋根材の撤去・廃棄費用は屋根材の種類によって異なります。
スレート屋根の場合は3,000円/㎡、瓦屋根の場合は3,500〜5,000円/㎡程度が撤去・処分費用の目安です。
既存屋根材別の費用紹介で瓦屋根の葺き替えがスレート屋根よりも高かったのは、撤去・処分費用の差などが関係しています。
スレート屋根はアスベストを含む場合、撤去と処分に特別な工程が必要となるため、4,000円/㎡程度の追加費用が発生することがあります。
3. 下地補修
屋根の下地補修では野地板と防水紙の補修・新設を行います。
・野地板とは?
野地板は屋根の土台としての役割を果たす下地材です。
防水紙と屋根材を敷くための下地であり、屋根全体の強度に直結するため、野地板が傷んでいれば「張り替え」か「増し張り」によって補強します。
工事では基本的に厚さ12mm以上の構造用合板と呼ばれる丈夫な種類の野地板が使用され、3,000円〜4,000円/㎡が野地板部分の相場となります。
・防水紙とは?
防水紙(防水シート・ルーフィング)は屋根からの雨漏りを防ぐための最終防衛ラインとも呼べる重要な下地材です。
防水紙の状態に問題がなければ雨水を完全に遮断し、屋根裏やお部屋へ浸入を許さずに屋根から排水を行ってくれます。
防水紙に必要な金額は1,000円〜1,500円/㎡程度が相場となります。
4. 新しい屋根材の施工
屋根材の費用は選択する種類やその中の商品によって大きく異なります。
・スレート屋根:4,000〜8,000円/㎡
・金属屋根(ガルバリウム鋼板):9,000〜12,000円/㎡
・瓦屋根:9,000〜16,000円/㎡
▼葺き替え工事の内訳費用をチェック!
各工程 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
足場仮設 | 足場代 | 15万円〜25万円 |
足場仮設費用単価 | 700~800円/㎡ | |
養生用メッシュシート | 150円/㎡ | |
既存屋根材の 撤去・処分 |
スレート屋根の撤去・処分 | 3,000円/㎡ |
アスベスト含有の場合 | +4,000円/㎡ | |
瓦屋根の撤去・処分 | 3,500〜5,000円/㎡ | |
下地補修 | 野地板 | 3,000円〜4,000円/㎡ |
防水紙 | 1,000円〜1,500円/㎡ | |
新規屋根材の 施工 |
スレート屋根 | 4,000〜8,000円/㎡ |
金属屋根(SGL鋼板) | 9,000〜12,000円/㎡ | |
瓦屋根 | 9,000〜16,000円/㎡ |
諸経費について
交通費や廃材処理費など、屋根の施工以外で発生する諸経費は業者によって扱いが大きく異なります。
そのため、見積書に明確な内訳が記載されているか確認しましょう。
街の屋根やさんでは、見積書にて各工程で必要になる費用の内訳や使用する部材などを記載しております。
「この項目はどういった作業なんですか?」
「打ち合わせで決めた金額や屋根材はどの項目に含まれていますか?」
など、ご不明な点についてはどんどんご質問いただければと思います!
担当のスタッフがしっかりと詳細についてご説明させていただきます。
葺き替え工事の実例も費用の参考になります
目安の金額や各工程の費用についてご紹介してきましたが、実際に行われた過去事例をチェックしてみることも金額の参考になります。
街の屋根やさんでは公開している施工事例にて
☑ 施工金額
☑ 使用材料
☑ 工期
☑ 屋根面積
などの情報を掲載しているページが多いため、気になる方は是非チェックしてみてください!
相見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取ることで、ご自宅の屋根に適応した費用相場を把握できます。
1社だけに見積もりを依頼すると、その金額が高すぎるのか、それとも手抜き工事を前提とした安さなのかは判断ができませんので、最低でも2社で相見積もりを取って価格を比較することを推奨します。
相見積もりを通じて費用だけでなく業者の対応や提案内容を比較検討し、信頼できる業者を選べることも大きなメリットです。
一括見積もりサイトは避ける
相見積もりを推奨した直後ではあるのですが、一括見積サイトに頼ることはオススメできません。
一括見積もりサイトは条件を入力するだけで複数社から金額を提示してもらえる利便性は優れているのですが、提携業者が限定されることが多く、必ずしも最適な業者を見つけられるとは限りません。
また、運営元は紹介料をリフォーム会社から取っているため、当然ながらその分の負担は工事金額にも反映されてしまいます。
一括見積サイトはあくまでも選択肢の一つに留め、合わせて信頼できる地元の業者や口コミ評価の高い業者も活用してみることをオススメします。
様々なパターンの見積もり・工事提案に対応できる業者に依頼する
板金専門業者であれば葺き替えの提案内容は金属屋根に限定されますし、瓦業者もまた然りです。
こうした工事内容が限定される業者よりも、複数の工法や屋根材に対応可能な業者に相談すれば多くのパターンの工事提案をしてもらえますので、予算内で理想の工事を検討できる可能性は高まります。
街の屋根やさんはあらゆる屋根材やリフォーム方法に精通しており、お客様のご希望や現地の状態から最適な工事をご提案しておりますので、寄り添ったご提案には自信があります!
「葺き替え工事の他に、屋根カバー工法で工事をした場合の見積もりもお願いしたい」
「スーパーガルテクトとエコグラーニの両パターンで金額を比較したい」
といったご要望など、お気軽にご相談いただければと思います。
資材費高騰に注意する
近年の建築資材費の高騰は無視できません。
多くの業者がここ数年の資材費高騰の波を受け、2022~2023年頃に工事価格の値上げを余儀なくされています。
明確な対策を取ることは難しいのですが、できれば「雨漏りするまではリフォームを先延ばしにしても大丈夫」と思わず、なるべく早めに工事を行って高騰の影響を避けることが大切です。
外壁塗装と同時に行うことがオススメ
屋根葺き替え工事と外壁塗装を同時に行うことで、足場の仮設費用を一度で済ませることができます。
これは葺き替え工事に限った話ではなく、足場が必要になるお住まいのメンテナンスをまとめて行うことにより、長期的なコスト削減が期待できるのです。
屋根の耐久性が向上する
葺き替え工事のメリットは、屋根の重要な下地材である野地板のメンテナンスが可能な点にあります。
同じ屋根リフォームでも、屋根カバー工法では野地板の劣化を改善することはできません。
野地板が傷んだままでは、せっかく屋根材を新しくしても耐用年数より早く下地がダメになってしまい、屋根全体の耐久性に問題が生じてしまいます。
下地を含めた屋根リフォームは、地震や台風を始めとした自然災害の負荷に耐えられる強度を維持するために欠かせないのです。
雨漏りが解決する
屋根からの雨漏りに悩まされている場合、基本的には防水紙が劣化してしまっている状態となります。
葺き替え工事なら防水紙を新しくしつつ、そもそも雨水の浸入を発生させている問題点や老朽化した箇所を丸ごと改善することができますので、雨漏りを解決する手段としては最も確実と言えるでしょう。
耐震性の改善
軽量な屋根材を採用することで建物の重心が下がり、地震時の揺れを軽減できます。
特に瓦屋根から金属屋根へと葺き替えた場合、屋根の総重量はおよそ10分の1にまで減少しますので、耐震性の大幅な向上が期待できます。
断熱・省エネ効果の向上
断熱性や遮熱性の高い屋根材を選ぶことで、夏の暑さ対策や冷暖房費の削減につながります。
金属屋根は軽量であることがメリットとして注目されやすいのですが、断熱材と一体型の商品はその断熱性の高さも評価されている要因となっています。
デメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
・カバー工法に比べて費用が高額
こうした葺き替え工事のメリット・デメリットについては以下の関連記事でより詳しくまとめていますので、気になる方は合わせてご確認くださいね。
▼関連記事
葺き替え時期の目安
屋根葺き替えのタイミングを見極めるには、屋根材の耐用年数などからリフォーム時期を予め把握しておくことが重要です。
▼屋根材それぞれの葺き替えタイミング
☑︎ 金属屋根:30~40年
☑︎ 瓦屋根:40~60年
特に粘土瓦は60年以上の耐久性を誇るほどに頑丈ではありますが、先に防水紙や野地板といった下地材が傷んできてしまうため、見えない部分の劣化を予測してリフォームを検討しなければなりません。
また、使用している瓦の種類にもよりますが、既存の瓦を一度外して下地部分だけを新しくする「葺き直し工事」も行うことが可能です。
スレート屋根と金属屋根は、基本的に屋根材の寿命と合わせて下地材も補修のタイミングを迎えます。
時期が来たら屋根の状態を業者に確認してもらい、屋根カバー工法や屋根葺き替え工事を検討しましょう。
工事に必要なアスベスト関連の資格を業者が有しているか
古いスレート屋根などにアスベストが含まれている可能性があります。
2022年4月より、施工業者には葺き替えを始めとした屋根工事を行う場合、屋根材がアスベストを含むか調査して報告する義務が法律で定められています。
続いて2023年10月からは、そのアスベスト含有調査にも資格が必要となりました。
▼アスベスト調査(石綿調査)に必要な資格
☑︎ 特定建築物石綿含有建材調査者(特定調査者)
☑︎ 一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て等調査者)
のいずれか
葺き替え工事を行う業者であれば、必ず上記の資格をスタッフが保有しているはずです。
業者選びの判断材料として覚えておくと役立ちます。
2025年4月に建築基準法が改正され、これまでは範囲外だった一般住宅のリフォームも「建築確認申請」の実施対象に含まれやすくなることをご存知でしょうか。
建築確認申請とは
「建築物が建築基準法や条例などの法律に基づいて設計されているか」
「建築物の新築、増築、改築、または用途変更を行う際に、計画が法令に適合しているか」
などを確認するための手続きが建築確認申請です。
この申請によって安全性や耐久性などの基準が守られていることを確認します。
申請は行政または検査機関を通じて行われ、審査をクリアした後に工事を進めることができます。
屋根葺き替え工事は建築確認申請の対象になる?
結論をお伝えしますと、野地板を変更しない屋根葺き替え工事は建築確認申請の対象外であると国土交通省より提示されています。
<建築確認申請が必要になる葺き替え工事例>
・「屋根材」「防水紙」と合わせて「野地板」や「垂木」などの下地まで取り替えを行う場合
<建築確認申請が不要になる葺き替え工事例>
・「屋根材」「防水紙」のみを新しくし、「野地板」や「垂木」へは手を加えない場合
※あくまで判断基準であり、「実情に応じて判断すること」と国土交通省の資料には記載されています。
※参照:国土交通省資料「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」
もし確認申請が必要になった場合、リフォームへの影響としては申請による工事スケジュールの長期化や費用の増加などが考えられます。
葺き替えにはどの屋根材がおすすめですか?
各屋根材に優れたポイントがありますが、街の屋根やさんのオススメは「金属屋根」です
スレートはコストパフォーマンスに優れ、金属屋根(ガルバリウム鋼板等)は軽量で耐震性が高く、瓦は耐久性が抜群と、それぞれに優れたポイントが存在します。
街の屋根やさんのオススメとしては「金属屋根」となります。
金属屋根は飛来物によって割れてしまう心配がなく、錆にさえ注意すれば非常に長く使用できる耐久性を有しているためです。
軽量であることも屋根の耐震性を大幅に向上させてくれる大きなメリットとなりますので、葺き替え工事ではぜひご検討いただきたいと思います。
ガルバリウム鋼板・ジンカリウム鋼板・SGL鋼板などの金属屋根については以下の関連記事で詳細に特徴やメリットなどをご紹介しております。
葺き替え工事にオススメの時期はありますか?
基本的にはどの時期でも工事は行えますが、天候が崩れやすいシーズンは避けましょう
基本的にはどのシーズンでも葺き替え工事を行うことができますので、オススメというよりも避けるべき時期についてお伝えします。
屋根葺き替え工事をスムーズに進めるためには安定した天候が重要です。
そのため、梅雨や台風シーズンなどの天気が崩れやすい時期はなるべく避けることがポイントとなります。
業者との事前の打ち合わせで工期が延びる可能性はしっかり話し合っておきましょう。
追加費用は発生しますか?
工事中に初めて発覚した屋根の下地の腐食などで、追加費用が発生する可能性があります
下地の腐食や劣化が工事中に見つかった場合、補修費用が追加で発生する可能性はあります。
葺き替え工事の流れでは、主に屋根を解体してみて初めて発覚する問題点が該当します。
トラブルに発展しないよう、見積もり時に可能な範囲で追加費用について予測してもらい、それを考慮した上で打ち合わせを進めるようにしましょう。
葺き替え工事にはどれくらいの日数が必要ですか?
基本的には約7~10日程度が目安です
大規模リフォームでは生活への影響も考えられますので、どれくらいの工期になるのかは気になりますよね?
基本的には約7~10日程度が目安となります。
施工範囲によっては1週間もかからなかったり、逆に雨天による延期で2週間以上の日数が必要になる場合もあります。
屋根葺き替え工事の費用まとめ
●屋根葺き替え工事の一般的な費用相場は110万円~220万円で、屋根材や工事条件によって異なります。
●瓦屋根やスレート屋根、アスベストの含有状況など、既存の屋根材に応じて必要な撤去費用などが変動します。
●費用を抑えるには、相見積もりや外壁塗装との同時施工が有効です。一括見積サイトだけに頼ることはオススメしません。
●工事ではアスベスト含有の確認や、適切な資格を持つ業者への依頼が重要となります。
●葺き替え工事で一番オススメなのは、耐震性と耐久性に優れた金属屋根材です。